長年使用している橋梁の鉄筋コンクリート床板には、き裂やはく離などの疲労破壊が生じることがあります。従来の超音波探傷検査では多くの工数がかかるため、より簡易な評価方法が求められていました
AEの発生によりき裂、はく離などを把握して、鉄筋コンクリート床版の劣化の進行を評価することが可能に。重りを載せたトラックを走らせて応力をかけることで、広範囲の検査を効率よく行うことができます
トンネルの上部に、新たに住宅地などが造成されるケースがあります。当初計算していた荷重に変化が生じ、き裂等の発生にいたる可能性があります。これらの負荷を把握し、同時にき裂やはく離の進行を評価することも求められています
計測対象より角柱状のコアーを採取し、圧縮試験をしてAEの発生と試験荷重を測定。AEの発生する荷重を求めることにより、逆に負荷された荷重を求めることができます
日本の国土は平坦地が少なく、急斜面の直下や直上部にも人家や道路があることが少なくありません。そのため、がけ崩れなどによる被害も毎年あとを絶たず、従来の計測技術に加えて、より精度の高い斜面動態計測システムの開発が待たれていました
AEセンサを地盤内に設置することにより、地表面の崩壊現象が現れる前に、地中における破壊の前兆により発生したAEを捉えることができます
発電用タービンの羽がケーシングと接触すると、ラビング振動(軸振動)が発生します。結果、熱変形等の異常が起こり、タービンの運転継続が困難になり、停止にいたることがあります
ラビング振動が発生すると、タービンの回転の周期に合わせて特徴的なAEが現れるため、異常があるとわかります。軸受のはく離、潤滑不良も評価できます
風力発電機に落雷すると、ブレードに損傷が生じて稼働に影響が及ぼすだけでなく、周囲の安全に問題が発生する場合があります。また、設備劣化が進行している場合、設備交換の適切な判断が必要です
落雷によってブレードが損傷した場合、大量のAEが発生します(※落雷があってもブレードに損傷がない場合はAEは発生しません)。また、ブレードにき裂やはく離などが発生すると、それぞれ特徴的なAEが生じるため、ブレード交換の判断の材料となります
エスカレータは軸受・軸・減速機・チェーンなどが組み合わされて構成されています。日々の安全な運行のために、各部品の摩耗や潤滑不良を早期に診断する方法が求められています
軸受・歯車、材料破断時・潤滑不良時のAE特性を組み合わせて診断します。回転のタイミングに合わせてAE信号を検出し、正常稼働時の信号と比較して評価することで、AE発生の原因がわかります
エレベータは生活に欠かせないインフラの一つ。軸受・軸・減速機・ロープ・スライド機構などが組み合わされて構成されています。安全な運行のために、故障が起こる前の早期診断が求められています
基本的には軸受・歯車、ロープの素線切れ、潤滑不良時等のAEの特性を組み合わせて診断します。これまでにAE法を利用したロープ式、油圧式の診断事例があります